SR400のハンドルポジションがいまいちしっくりこないので、一旦ライザーを取り付けて様子を見ることにしました。オートバイは実際に取り付けてみないと判断できないため、ハンドルばかり増えてしまいます。これ以上増やしてはいけない。
ついでに、戻りが渋くなっているスロットルワイヤーもグリスアップしておこうと思います。スロットルワイヤーのメンテナンスは重要な作業ですが、簡単な上に効果も高いです。定期的にチェックしておけば安心ですし、ワイヤーも長持ちします。
スロットルワイヤーのメンテナンスの重要性
スロットルワイヤーは、グリップとエンジン側のスロットルバルブを繋ぐパーツです。スロットルの引きや戻りが悪いなと感じる場合、ワイヤー内部に問題を抱えている可能性があります。
ほとんどが潤滑オイル切れや、内部の汚れが原因です。ワイヤー内部を掃除してグリスアップすれば、スロットルがスルッスルになるので定期的にチェックしましょう。
しかし、以下のような場合は、ワイヤーの交換、またはバイク屋さんへの修理依頼も検討してください。
- グリスアップしても引っかかりを感じる
- ハンドルを交換したため、長さがあっていない
- ワイヤーの取り回しを変更したため長さがあっていない
- ハンドルを左右に切ると、ワイヤーにつっぱりを感じる
特に、スロットルグリップに触れていないのに回転数が上がる場合は、危険なのでワイヤーの遊びの調整が必要です。調整しても解決しない際は、ワイヤーの長さがあっていないので、交換しなくてはいけません。
スロットルワイヤーのメンテナンス方法
スロットルワイヤーの日常点検
簡単に確認できるので、スロットルワイヤーは日常的に点検しましょう。
- チューブが切れたり、傷ついたりしていないか。ワイヤーが露出してしまっている場合は交換が必要です
- スロットルの引いたり戻したりします。重さを感じたり、戻りが遅い場合は遊びの確認、グリスアップが必要です
- エンジンがかかっている状態で、ハンドルを左右に切ります。その際、かってに回転数が上がるなら遊びの調整が必要です
スロットルワイヤーの遊びの調整
一般的にスロットルの遊びは、5mm程度といわれていますが、車種によっても推奨値があります。自分の操作しやすい遊びの量にすればいいのですが、多すぎても少なすぎてもいけません。遊びがまったくない状態はNGです。基本的に引き側のアジャスターで調整します。
- ハンドル側に遊びを調整するためのアジャスターがあります。ここを緩めてハンドル側(画像左側)にいくほど遊びが大きくなります。スロットルで遊びを確認しながら調整します。位置が決まったら、ロックナットをアジャスター側に締め固定します。
- スロットルの動きに問題がないか、ハンドルを左右に振っても突っぱりがないか確認します。エンジンをかけ、同様にチェックします。アイドリング時の、エンジンの回転数に変化がなければ遊びの調整は完了です。
スロットルワイヤーのグリスアップ
スロットルワイヤーは、走行距離3,000kmごとのグリスアップが推奨されています。それ未満でも、ハンドルが重いと感じたら注油するべきです。「こんなに軽かったっけ」と、びっくりします。僕は、洗車や雨でぬれたあともグリスアップしています。
必要なもの
- ワイヤーオイル
- パーツクリーナー
- ワイヤーインジェクター
- ウエスや布
- ポリ袋
- マスキングテープ
ワイヤーオイル
エンジンオイルやフォークオイルなど、潤滑作用があるものならなんでも代用できます。ただし、粘度の高いものはチューブ内に入っていかないので、チェーンオイルなどは代用に向いていません。
1本で潤滑洗浄機能があるものもあり、作業がさらに楽です。
パーツクリーナー
スロットルワイヤーのチューブ内を洗浄します。潤滑洗浄機能があるワイヤーオイルを使用する場合は、なくてもかまいません。
ワイヤーインジェクター
スロットルワイヤーのチューブ内に、パーツクリーナーやワイヤーオイルを注入するための装置です。
ワイヤーインジェクターを使用せず、ポリ袋とマスキングテープを使う方法もあります。今回はポリ袋を使った原始的なやり方でグリスアップしますので。簡単なので、むしろおすすめです。
ワイヤーインジェクター方式か、ポリ袋方式どちらでもやりやすい方法でいいと思います。
ウエスや布
エンジン側のチューブから汚れやオイルが出てくるので、エンジン保護のために使います。これはなんでもいいです。ぞうきんとか着古したTシャツなんかでも充分です。
ビニール袋
ポリ袋方式でグリスアップする場合に使います。あまり大きいとやりにくいです。タテ20cmヨコ10cmくらいのサイズがちょうどよいと思います。
マスキングテープ
ポリ袋方式でグリスアップする場合、パーツクリーナーやワイヤーオイルが漏れないように使用します。ハバ15mmくらいのものが使いやすいです。
ポリ袋方式グリスアップ
まず、ハンドル側のスロットルワイヤーを取り外します。
ポリ袋の角を1か所切って穴をあけます。ハンドル側ロックナットが通るくらいの大きさがよいです。外側からスロットルワイヤーを挿入し、ロックナットやアジャスター部分が袋の内側にくるようにします。
パーツクリーナーやワイヤーオイルがもれないよう、マスキングテープでスロットルワイヤーごとポリ袋の穴部分をふさぎます。エンジン側のスロットルワイヤーのチューブから、汚れやオイルが出てくるので、ウエスや布をあてておきます。
今回は洗浄潤滑機能のあるワイヤーオイルを使用しています。ちょっと多いかな、というくらいポリ袋内にワイヤーオイルを噴射してやります。ポリ袋方式だと、空気の泡がブクブクいいながらチューブ内に浸透していく様子がじっくり観察できます。結構な勢いで吸い込まれていきますよ。
エンジン側です。汚れやオイルが出てきています。スロットルワイヤーを引いたり戻したりしてやると効果的です。
以上を引き側、戻し側で行います。洗浄、グリスアップが終わったらスロットルワイヤーを繋ぎ直し、遊びの調整をします。異常がなければ、これで完了です。
まとめ
- スロットルワイヤーは定期的に点検する
- スロットルの遊びが適切でないと危険
- 走行距離3,000kmごとにグリスアップする
- 3,000km未満でもスロットルに重さを感じたらグリスアップする
- 洗車や雨にぬれたあともグリスアップ推奨
- ポリ袋方式はオススメ
スロットルワイヤーのグリスアップは、慣れると30分もかかりません。ポリ袋方式も簡単なのでぜひためしてほしいです。
ちなみに、クラッチワイヤーも同様の方法でできます。たまにやると、「ワイヤーはずれてない?」というくらいクラッチレバー軽くなりますよ。
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