薪小屋の掃除と修理をした際に、薪の移動や積み直しをしました。使いやすくなってよかったんですけど、どれが今シーズン用の薪かわからなくなってしまったんですね。
まあ大丈夫だろう、と感触や重さなんかで判断して薪ストーブにくべていました。が、やっぱり微妙に乾いていない薪がまざっていたようで、燃えがわるく、すすが多く出てしまいます。
なので、これを機に水分計を購入しました。薪の含水率が目で見てわかるって結構たのしいです。
水分の多い薪はストーブに悪影響
薪ストーブで使用するのに適した薪の含水率は20%以下と言われています。15%以下という話もありますが、乾いていればいるほどよいということ。ちなみに生木は季節や種類にもよりますが、最低でも40%から60%の含水率があるそうです。
当たり前なんですけど水分の多い薪は燃えにくいです。燃焼効率がわるいのでストーブ内の温度があがらず、くすぶり続ける状態になります。しっかり熾火を作ってあれば力技で燃やすこともできますが、薪が足りないときなどの緊急事態以外ではあまりやりたくないですね。
くすぶることにより煙が多く出るので、ストーブ内や煙突にすすが付きやすくなります。掃除の頻度が増えますし、煙突が詰まるとさらに燃焼効率が落ちてしまいます。放っておくと最悪の場合煙突内で燃焼が起き火災になる可能性もあります。
ただ、とにかくよく乾いた薪を使ってしっかり燃焼させてさえいれば、そういった心配はほぼないです。一応。
水分計にはプローブ型と非接触型がある
水分計、含水率計、湿度計などいろいろな呼び方で販売されています。さまざまな種類があり、価格や機能もピンキリ。大まかにざっくり2つのタイプに分類すると。
- プローブ型
2本の針が付いていて、計測する対象に突き刺して使う。針は消耗品。 - 非接触型
計測する対象にピタッと当てて使う。対象が平面でないと精度はさがる。
必ずしも平面があるわけではない薪に使うならプローブ型がよさそうですが、針が消耗品というのがネック。もし薪以外(材木とか)にも使いたくなった場合、針のあとが付いてしまうのも気になります。
DIYなどで有名なブレンネンストゥールの水分計はプローブ型。水分計といえば、これが第一候補になることが多いです。
非接触型はピタッピタッとテンポよく計測できそう。製品としてひとつづつ丁寧に時間をかけるような用途ではないので、使いやすさは大事。ただ、精度の低下は気になります。
非接触型水分計を買ってみた
まず今回、水分計を選ぶにあたっての条件は
- 値段が高すぎない
- そこそこの正確性
以上の、2つのみ。
プロ用の数万円もするものは精度が信頼できますが、一般家庭で使うには値段もスペックもオーバーし過ぎです。1万円台、できれば1万円でおつりがきたらいいなと思います。と、いろいろ比較しながら買ったのが以下。
ERICKHILL 非破壊型水分計
非接触型なので消耗品がなくランニングコスト(乾電池のみ)が安く、価格も4,000円ほど。精度に関しては実際に使ってみるしかないですが、各ネットショップでの評判は概ね良好でした。
見た目の印象と違い、操作が簡単なのでストレスなく計測できます。計測対象の種類を選んでおいてピタッとするだけなんで難しいことは特にないです。計測上限は40%で、それ以上になると計測不能で点滅します。自分を測ってみたら40%以上あるようで安心。
基本的にハードウッド(広葉樹など)モードかソフトウッド(針葉樹など)モードを、樹種に合わせて切り替えて使うことになります。ソフトウッドモードには細かく設定できる機能がありますが、デフォルトのままで大丈夫そうです。
また、任意の測定値を設定しておき、その値を超えた場合にアラームを鳴らす、という機能もあります。初期状態だと15%にセットされていました。毎回画面を確認しなくても、とりあえず適当にピタッとしてアラームが鳴ったらその薪ははじく、という流れ作業ができて楽です。
精度はありそう
一番重要な測定値の正確さですが、思っていたより精度がありそう。
風で倒れた細めのヒノキ。3ヶ月ほど放置中。計測する部分が平面ではないので、実際には40%を超えていると思います。
玉切りだけして1年ほど保管しているもの。時間がたっていても割っていないものは含水率が高めの傾向。
今シーズン用の薪、これから使うものです。両断面と、なるべく平面に近い部分の計3カ所くらいを測ることにしています。かなり現実的な数値なので、そこそこの正確性はクリアしているかなという感じがします。
ちなみに
現在この水分計どこのネットショップでも取り扱いがありません。ERICKHHILLというメーカー自体いまいちどこの会社なのかもわからないんですけど、ほぼほぼ中国でしょう。
Huepar 非接触水分計 デジタル木材水分計 含水率測定器 水分計 4つの測定モード 建材測定 アラーム機能付き ホールド機能 LCDディスプレイ 日本語説明書付き M02
デジタル水分計 ピンレス水分計壁用非破壊木材水分計、壁用木材および石材水分検出器 操作簡単
カラーとブランド名のちがうバリエーションが異常に豊富にそろっています。中身も同じなのかはわからないので、信頼性はまったく不明です。
水分計で薪ストーブの燃焼効率が良くなった?
これまでは「今シーズン用の薪」でしかなかったので、「今シーズン用の薪」エリアのものはどれも同じように使っていました。乾燥具合を大まかにでも数値で把握することができると、自然とより乾いた薪から使おうとする心理が働くようになるんですね。
これも当たり前のことだろうと思われるかもしれませんが、例えば、20%の薪より15%のものを、10%以下があればそっちを優先したくなるというもの。より乾いた薪を燃やすことができ、20%のものはもう少し乾燥させておこうなんて余裕ができます。20%と10%は火の付きからして結構ちがいます。
わが家の薪ストーブは200度から230度ほどをキープするように燃焼させています。やっぱり200度に達するまでが早いです。200度を超えたら様子を見ながら空気をしぼりますが、だいたい3時間半くらいは燃えてくれます。紅葉樹と針葉樹をまぜて使っているので、燃焼時間はかなりよいほうだと思います。
また、できるかぎり含水率が少ない薪を使っているので、すすが出にくく薪ストーブ本体や煙突の掃除の頻度も減りました。特に燃焼効率に直結するのが煙突の汚れですが、掃除がまあ面倒なのでありがたいです。
とにかく「よく乾いた薪を使う」ことが燃焼効率をあげるこつです。水分計は必須なものではないと思います。が、数値として含水率が見えるのは精神的に楽です。勘や経験だけに頼るとうまくいかないときにしんどくなってしまうので。
おまけ:水分計を使わず薪の乾燥具合を確認する簡易的な方法
いくつか方法はありますが、一番簡単なのは薪を素手でさわってみること。湿っていたりしっとりした感触があればその薪はまだ使えません。
次に、切断面(玉切りにした際の繊維に対して垂直の面)を見ます。木は外側から内側に向かって乾燥していくので、乾燥具合にギャップができ、割れが発生します。割れは乾燥が進んでいる証拠です。※完全に乾燥していても割れがない場合もあるので、絶対ではありません。
薪同士を叩いてみることでも確認ができます。よく乾いた薪は、コンコンと高い音がします。逆にまだ湿っている薪は、ボンボンと低い音です。
いざ(?)という時の参考程度にしてください、確実な方法ではないです。
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